仮想通貨取引所が倒産したらどうなる!?弁護士が解説!

この1年で急速に盛り上がり、コインチェックの盗難事件のように大きな社会問題の一つともなった仮想通貨。コインチェック問題において結局は倒産という最悪の自体は免れたようなのですが、コインチェックのような取引所が倒産した場合、その取引所に預けている仮想通貨については、どういう取り扱いをされるのでしょうか?
今回は、仮想通貨にまつわる法律問題に詳しい、直田法律事務所の直田 庸介弁護士にお話を伺いました。

盗難通貨を預けていた場合とそれ以外の通貨で対処異なる


‐ コインチェックのような取引所運営会社が倒産した場合、その取引所に預けている仮想通貨については、どういう取り扱いをされるのでしょうか?
直田弁護士:
例えば、今回のようにユーザーから預かっていた多額のXEMという仮想通貨が盗難の被害にあい、当該取引所運営会社がそのユーザーに対して多額の損害賠償責任を負った結果として破産した場合を想定してみます。
■ XEMを預けていたユーザー
まず、XEMを預けていたユーザーに関しては、当該運営会社は当然のことながら、保管を受託していた者の責任として、ユーザーに損害賠償責任を負います。そして、その際の賠償額は、盗難時の時価を基準として考えることが、一般的な法解釈ではないかと考えています。
■ XEM以外を預けていたユーザー
次に、XEM以外の仮想通貨(ETHだと仮定します)を預けていたユーザーについては、結論として、少なくとも現状の裁判例に照らすと、ETH自体の返還を請求することはできず、ETH相当額の損害賠償請求をすることができるにすぎない(最終的に配当可能財産があれば配当にあずかることができるにすぎない)と考えます。

一般的に、破産手続きにおいては、簡単にいうと破産した会社が人から預かっている物については、破産手続きにおいては換価されるべき破産財団(債権者への配当に回る原資になります。)に含まれないとされています。(取戻権と言います。)

「取戻権」は認められないケースも!?


直田弁護士:
そのため、例えば、自分の所有物を、破産会社に預かってもらっていた場合(「はれのひ」問題の預けていた振袖のようなケース)は、当該会社が破産をしても、結論としては、取り戻すことが可能です。

では、それと同じような形で、ETHを預けていたユーザーが取り戻しをすることができるかというと、少なくともこれまでの裁判例に照らすと、難しいと言わざるを得ません。Mt.GOX事件に関連する裁判において、BTCの所有権に基づく取戻権を否定した地裁判例が存在するからです(東京地裁平成27年8月5日判決)。
(もちろん、この判決の妥当性や、その射程という問題はありますが、ここでは省略します)

そして、所有権に基づく取戻権が認められないとの前提にたった場合、ETHを預けていたユーザーが有する権利は、売買契約(または預託契約)に基づく(つまり所有権ではなく債権的な)ETH引き渡し請求権であるものの、破産により引き渡しが不可能になったことにより当該引渡請求権が転嫁した損害賠償請求権であるという整理になると考えられます。
つまり、取戻権は認められず、当該ETHを預けていたユーザーは、XEMユーザーと同じく、単純に損害賠償請求権を有することになるにすぎないことになります。

「裁判例固まってない」まだまだ論点も


直田弁護士:
そして、損害賠償請求権を有することにすぎないという整理となる結果、破産手続きにおいては、破産管財人が、当該会社の財産を換金し、優先する租税債権や労働債権などの債権に対して支払いを行なった後の残りの財産について、債権額に応じて配当を受けることができるにすぎない、ということになります。

以上の通り、取引所運営会社が倒産した場合、盗難された仮想通貨以外の通貨を預けていたユーザーも結局は、破産手続きにおいて配当を受けることができるにすぎないということになると考えられます。

もっとも、この仮想通貨の破産手続きにおける取り扱いや、所有権の対象になるかという点については、まだまだ新しい論点であるため、裁判例が固まっている訳ではありません。例えば、分別管理の有無によって結論は変わり得るという意見もあります。そのため、異なる結論となりうる可能性はありますし、我々弁護士としては、そういった被害者ユーザーが出てきた場合は(コインチェックの件では幸いそういう事態にはなりませんでしたが)、その異なる可能性を追い求めて、裁判所に主張をしていくべきなのだと考えます。


<弁護士トーク編集部>
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直田庸介

直田庸介

第一東京弁護士会
所属事務所: 直田法律事務所

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