ネットでの誹謗中傷…削除のための弁護士費用は請求できるの?


近年、SNS等のネット上で誹謗中傷の被害を受け、それに対抗するため、削除請求や損害賠償請求を行うことも増えてきており、当編集部でも以前特集いたしました(「今すぐ消したい・・・ネット上の誹謗中傷を削除する方法は?」)。
今回は、このように訴訟等によって削除等を行った場合に、そのための実費や弁護士費用を相手方に請求できるのか、大本総合法律事務所の池本 一広弁護士にお伺いしました。
‐ 削除請求を行うためには、おおよそどの程度の弁護士費用や実費を要するのでしょうか?
池本弁護士:
削除請求の費用は、削除請求の方法によって異なります。削除請求には大きく分けて、「裁判外の請求」と「裁判上の請求」の2通りの方法があります。
裁判外の請求というのは、サイト管理者等に、ウェブフォームやメール等から削除依頼をするという方法です。この方法は、ウェブフォームやメールで行うことができるので、手間がかからず迅速な手段です。ウェブサイトによっては、早ければ数日で対応してくれることもあります。

裁判上の請求は「仮処分」を申し立て


池本弁護士:
サイト管理者等が任意に削除に応じてくれない場合、裁判上の請求を行うことになります。削除請求の場合によく利用される裁判手続は、仮処分というものです。仮処分とは、裁判などの結果を待っていたのでは著しい損害が発生する場合などに、これを防ぐために裁判所が行う暫定的な措置のことです。この仮処分においては、「権利侵害が一応認められる。」と裁判所が判断すれば、「投稿記事を仮に削除せよ。」という決定が出されます。

裁判外の請求の場合、弁護士費用は1件あたり着手金・報酬あわせて5万円~10万円程度のことが多いようです。サイト管理者等にウェブフォームやメール等から削除依頼をするという方法によるため、交通費等の実費はほとんどかかりません。

裁判上の請求の場合、弁護士費用は申立て1件あたり、着手金・報酬あわせて20万円~50万円程度が目安となります。これに加えて、裁判所への出廷日当・交通費等の実費が必要になります。
このほかに、仮処分の場合、仮処分決定が発令される段階で、担保金(30万円~50万円程度)を法務局に供託する必要があります。この担保金は通常は返還されますので、一時的に負担する費用です。
‐ 弁護士費用や実費を慰謝料とは別に相手方に請求した場合に、裁判所は全額を損害として認めてくれるのでしょうか?
池本弁護士:
インターネット上の名誉棄損の被害者は、投稿の削除や発信者の特定、発信者に対する損害賠償請求を弁護士に依頼することが一般的です。投稿の削除に関する費用(削除費用)と発信者の特定に関する費用(調査費用)について、多くの裁判例ではこれらの費用の全部または一部を相手方に請求できるとされています。

実際には、発信者に対する損害賠償請求のための弁護士費用は、多くの裁判例で、裁判所が認定した損害の1割程度とされております。
例えば、慰謝料と削除費用、調査費用の合計100万円を裁判所が損害として認定した場合には、10万円程度が発信者に対する損害賠償請求のための弁護士費用として認められるということです。

弁護士費用が全額認められたケースも!


池本弁護士:
一方、東京地裁平成27年3月24日判決では、実際にかかった削除費用(3万7800円)と調査費用(26万2500円)の全額が損害として認められました。
もっとも、削除費用と調査費用の一部のみを損害として認定した裁判例(東京地裁平成27年 3月27日判決等)もあり、必ずしも削除費用と調査費用の全額が損害として認められるわけではありません。

このように、インターネット上の名誉棄損に対応するための弁護士費用や実費について、全てのケースで実際に発生した実費全額を相手方に請求できるわけではないのですが、少なくとも一部については相手方に請求することができます。


<弁護士トーク編集部>
近年、急増しているというインターネット上の誹謗中傷。削除してもらいたくても、投稿者を特定したり、サイト管理者に依頼したりするのは、とても時間と労力がかかるものです。でも弁護士に頼むとお金がすごくかかりそう...。もっともな心配ですね。
上記のように、削除費用と調査費用の少なくとも一部は損害賠償として認められるようですので、慰謝料の金額によっては、弁護士費用分を全てまかなえる場合もありそうです!
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池本一広

池本一広

第二東京弁護士会
所属事務所: 大本総合法律事務所

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