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「ノークレーム・ノーリターン」は法的に有効!?


近年、スマホのフリマアプリが流行し、個人間売買が盛んになっています。
そのなかで、「ノークレーム、ノーリターンにてお願いします」と記載されているのを見かけることがあると思います。
そこで、今回は、ノークレーム・ ノーリターンの記載の有効性について、直田法律事務所の直田庸介弁護士にお話をお伺いしました。

「ノークレーム・ノーリターン」が有効な場合とは!?


‐「ノー クレーム・ノーリターンにてお願い致します」と記載されている商品を購入した場合、ユーザーは売主に対して何もクレームすることはできないのでしょうか。

直田弁護士:一般的に、ノークレーム・ノーリターンにてお願いしますと記載された商品を購入した場合、買主はその内容に同意をしたと考えられます。
法律的には、売主の担保責任を免除する特約があったと考えられます。担保責任を免除するとは目的物に隠れたる瑕疵があった場合などの売主の責任が免除されることを意味します。
つまり、当該商品に隠れた瑕疵があったとしても、その点の責任を追及することができないのが原則です。
法律上の原則はこの様な瑕疵担保責任を免除する特約を設けることは有効だと解されていますので、このようなノークレーム・ノーリターン特約によって担保責任を免除することは法律的に有効だというのが原則になります。

「ノークレーム・ノーリターン」が無効な場合とは!?


‐ そうすると、 ノークレーム・ノーリターンと記載された商品を購入した買主は、購入した品物に瑕疵があったとしても、 売主に対して何も請求することはできないのでしょうか?

直田弁護士:全ての場合に何も請求できないというわけではありません。
例えば、 売主が瑕疵のあることを知っていたにも関わらずその事を買主に知らせずに販売をした場合、仮にノークレーム・ノーリターンと記載していたとしても、 担保責任を免れることはできません(民法572条)。
また、 事情によっては、 錯誤無効や詐欺を主張することは可能となる場合があります。
ここは個別の事情によりますので、弁護士などにご相談された方がよいと思います。

なお、 フリマアプリなどでのユーザー間の取引であったとしても、 売主が事業者にあたる場合、特定商取引法に基づいて事業者は法定返品に関する事項及び瑕疵担保責任につき特約がある場合の当該特約を表示することが義務付けられており、ノークレームノーリターンの記載が法定返品権に関する特約なのか瑕疵担保責任に関する特約なのかを明確に表示をしておくことが望ましいと考えます。
また仮に明確に表示がされていたとしても、買主が消費者である場合、 瑕疵担保責任特約としてのノークレーム・ノーリターンは瑕疵担保責任の損害賠償義務の全部を免除し活動責任の解除権を排除する特約であるとして消費者契約法第8条第1項第5号及び第8条の2により無効となることがありますので、そこは注意が必要です。




<弁護士トーク編集部より>
今回は「ノークレーム・ノーリターン」という記載の有効性についてお話を伺いました。
フリマアプリの流行で、気軽かつ簡単に個人間売買が行われるようになった昨今、トラブルを避けるためにも売主・買主ともに注意して利用することが大切です。


■売主(出品者)が注意すること
売主が事業者でない一般人の場合、ノークレーム・ノーリターンと記載することは瑕疵担保責任を免除するために有効ですが、例えば「商品に明らかなキズや汚れがあるにも関わらず、商品の説明に記載がない場合」などノークレーム・ノーリターンと記載していても、担保責任を免れることはできないそうです。
売主としてトラブルを防ぐためには、商品を出品する際、キズや汚れの場所・程度を写真を添付したりしながら具体的に記載することが大切です。
■買主(購入者)が注意すること
商品に不安や不明な点がある場合は、売主に質問をして解決してから購入するなどの方法がありますが、そもそもフリマアプリなどで売られているものは中古品の場合が多く、ある程度の品質劣化は想定の上で、買い物をするべきです。
実物を見ることができないまま購入することのリスクを考慮したうえで利用するべきでしょう。


事前に対策をし、トラブルなく楽しく利用することが一番ですが、万一トラブルになりご自身で解決することが難しい場合は、弁護士に相談してみてください。「弁護士トークアプリ」ならチャットで弁護士に相談が可能です。
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