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アニサキス食中毒 損害賠償請求できるか?


近年、刺身など生の魚介類についている寄生虫「アニサキス」による食中毒が急増し、厚生労働省も注意を呼び掛けています。アニサキスは2~3センチ程の白い糸の様な線虫で、人の体内に入ると数時間で激しい腹痛や嘔吐などの食中毒の症状を引き起こします。今回はお店で魚介類を食べてアニサキス食中毒になった場合、お店に治療費や慰謝料といった損害賠償を請求することが可能か、大本康志弁護士にお話を伺いました。

損害賠償請求は可能か!?

― ここ最近、生魚を食べた際にアニサキスによる食中毒が話題になっていますが、外食した際の食事が原因でアニサキスによる食中毒を発症した場合、そのお店に対して、損害賠償を請求することは可能なのでしょうか?

大本弁護士:可能です。お店側に過失が認められると思われるからです。

― 過失が認められるというのはどういうことですか?

大本弁護士:提供側であるお店に、安全な食物を提供するという点についての注意義務が課せられており、その義務に違反した ということが過失の実態とされています。過失が認められた場合にそこから発生した損害につきお店の責任を追及できることにな ります。

― どういった形で請求をすれば良いのですか?

大本弁護士:書面により請求すべきでしょう。なぜなら、書面によらない、口頭による請求では、①本気度合いが伝わらず、②お店側にもどのような対応をすべきかが不明となってしまうことなどの不都合があると思われるからです。

レシート、領収書は捨てたらダメ!!

― お店側が、自分のお店で提供した魚によるものではない、と言ってきた場合、どうすれば良いのでしょうか?その際に、揃えておくべき証拠というのはどういったものがあるのでしょうか?

大本弁護士:お店側から提供されたお刺身などによってアニサキス症が発生した蓋然性が高いということを証明していく必要があります。 具体的には、aそのお店で食事をしたこととそのあとに痛みが発生したこと、bアニサキス症であったこと、cそのお店以外ではなまものを食べていないことなどの事実が存在していたことを、請求する側にて用意する必要があります。そして、相手が各事実を認めるのでない限り、a〜cの各事実の存在を裏付ける証拠(領収書など)を、請求者側がその責任にて収集する必要があります。

― そうすると、領収書はレシートでも良いのですか?

大本弁護士:可能性があります。むしろレシートの方が注文した品目の記載があったりして良い場合すらあります。

― そのお店以外で生ものを食べていないことは、どうやって証明するのですか?

大本弁護士:関連するであろう時間帯に食べたものを全て記載して、そのことを裏付ける証拠を用意することで、間接的ですが、そのお店以外では生ものを食べていないと主張していくことになります。

請求できる金額は!?

― だいたい、いくらぐらい請求することができるのですか?治療費だけでなく慰謝料も請求できるのですか?

大本弁護士:アニサキス症の発症により被った損害を請求することができます。 治療費のほか、休業損害、交通費などのほか、痛みを伴ったことによる慰謝料ももちろん請求することができます。いくらくらいの請求になるかはその人の病状やご年収、店側の対応などによっても変わりうると思いますが、おおよそ50〜100万円程度の請求ができることがあるかと思います。

― そんなに請求できるのですか?請求を弁護士さんにお願いした場合、どの程度の費用がかかるものなのでしょうか?

大本弁護士:弁護士特約の適用があればお金は保険でまかなえます。もし特約の適用がなくとも概ね獲得金額の20パーセント〜程度にて済みますので、お手元には70パーセント以上残ることがほとんどです。つまり100万円賠償されたら手取り75万円程度!という感じです。

― なるほど、どういった証拠で証明すべきかなど、とても参考になりました。ありがとうございました。


(弁護士トーク編集部より)
生の魚介類の流通の多様化に伴い、近年増加傾向にあるアニサキス食中毒。(厚生労働省の報告によると2016年の患者数は126件)
予防を徹底し被害に遭わないのが一番ですが、もし被害に遭った時は、弁護士さんに相談してみるのも一つの手かもしれません。
きっと力になってくると思います。
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大本 康志(おおもと やすし)弁護士
大本総合法律事務所所長、弁護士トーク株式会社代表取締役兼CEO。得意分野は、相続(事業継承)、債権回収、交通事故、会社法、著作権法。主な著書に、『食品衛生法改正 解説』等。メディア出演多数。
事務所名:大本総合法律事務所
事務所URL:http://www.ohmoto.biz/

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