実はアウト?ネット上の誹謗中傷について解説

今回は、「ネットでの誹謗中傷」についてを取り上げました。
警視庁の発表では、2017年に相談された名誉毀損・誹謗中傷等の件数は11,749件に上ります。
その中には「これも誹謗中傷になるの!?」と驚くような内容もありますので、SNSトラブルに巻き込まれないよう注意しましょう。


ネット上では、匿名だったり顔が見えなかったりするので、好きなことを遠慮なく言えるのは良いことです。
しかし、逆に匿名を良いことに他人のプライバシーを暴いたり、名誉を傷つけるような発言も多くみられます。ネットリテラシーなどという言葉も聞かれますが、ネット上での誹謗中傷が近時大きな話題になっています。

今回は、気を付けておきたいポイント、特に皆さんがセーフだと思っているが実はアウトなケースを二つご紹介したいと思います。



◆同定可能性の問題

これは、「名前さえ晒さなければ、誰を対象としたのか分からないから大丈夫だ」と思い、ある人の社会的評価を低下させるような事実を書き込むことです。

確かに、誰が対象なのか特定できないのであれば、被害者が存在しないことになりますので、名誉棄損の話にはなりません。「昨日会ったあの男」と言われても、誰のことなのか分からないでしょう。
しかしながら、「昨日夕方渋谷駅で因縁をつけてきて怒鳴りあいになったあの男」ということになると、その現場を見ていた人がいることもあるし、その男が「昨日こんなことがあってさ。」などと友人たちに話していたかもしれません。あるいは、ネット上でニュースになっていたかもしれません。
一般的には、少なくとも対象者の属性のいくつかを知る者が見た時に認識できる程度に同定されることが必要と解されています。インターネット上でなされた具体的表現を被害者の属性や周辺事情と照らし合わせながら、特定の人物に対する内容であることを証明されてしまうと、名誉棄損罪が成立することになりますので、名前を出さなければ良いというわけではないということをご注意ください。



◆ツイッターにおけるリツイートの問題

ツイッター等のSNSをしていると、某氏に対する社会的評価を下げるような批判記事を何の気なしにリツイートしてしまうことがありますね。
それはもしかしたら賛同の意味かもしれないし、参考までに紹介しただけかもしれません。さらには「この記事ってどうなの?」という批判的な意味合いがあるかもしれません。

これについて、大阪地裁で、「何らコメントなくリツイートする行為については、元ツイートに社会的評価を低下させる内容が含まれる場合、リツイートによって自身のフォロワーに元ツイートの内容が表示されることになり、リツイートの経緯や意図、目的を問わず、名誉棄損になる」との判断が示され、大阪高裁もこれを指示しました(朝日新聞デジタル2020年6月23日)。
単なるリツイートは、非常に危険です。
特に、フォロワーの多い人は大きな影響力を与えてしまいます。
何かしらのコメントを付してリツイートをすることをお薦めします。



--本メルマガ監修弁護士--
大本総合法律事務所 特別顧問
小野 智彦 弁護士
所在地:東京都千代田区丸の内1-4-1丸の内永楽ビルディング20階
http://www.ohmoto.biz/
ネット上の誹謗中傷・書き込み削除窓口
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