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株式が「紙切れ」に…タカタが申請した民事再生法とは?


先日、自動車部品メーカーのタカタが民事再生法の適用を申請したというニュースがありました。株式市場では、上場廃止が決定されましたが、極めて低い金額ながらも株式の売買は成立していると聞きます。
今回は、タカタが申請した「民事再生法」とはいったいどういった手続きなのかを企業法務のご経験が豊富な大本総合法律事務所の八木優大弁護士にお伺いします。

タカタが申請した民事再生法って?

‐ 先日タカタが民事再生法の適用を申請したというニュースがありましたが、そもそも申請前に、適用を申請する予定だというニュースが流れましたが、このような事前リークのようなことは一般的なのでしょうか?また、リークが意図的になされるようなこともあるのでしょうか?

八木弁護士:これまで全ての案件を確認したわけではありませんが、少なくとも事前に情報がリークされることは一般的とはいえないでしょう。なぜなら民事再生を含む倒産手続の申立ての情報が事前に流れると、それを知った債権者や従業員が自力で商品を持ち出す等して抜け駆け的に債権回収に動いたり、反社会的勢力が介入する等の混乱が予想されるため、会社の代表者は、出来る限り密行して準備するのが通常といえるからです。
そのため、リークが会社の代表者らによって、意図的になされるということも一般的にはないと思われます。しかし、例えば、会社内での内紛によって現経営陣を混乱させる目的で、それに反対する勢力が情報をリークしたというようなケースは考えられなくはないかと思います。

‐ 本題に参りますが、タカタが申請した民事再生法とは簡単に言うとどういった手続きになるのでしょうか?

八木弁護士:民事再生とは、経済的に窮境にある債務者の経済生活の再生を目的とする倒産手続きです。法的な倒産手続には、大きく分けて、①破産、②民事再生、③会社更生の3つがあります。
民事再生は、事業の清算をする破産とは異なり、債務を整理して事業の再建を図る手続です。会社更生も、再建を図る手続という点では民事再生と同様ですが、会社更生では、現経営陣が事業の経営権を喪失してしまうところ、民事再生においては、現経営陣の刷新は必須ではございません。
したがって、経済的に窮境にあり、事業の再建を現経営陣が主導的に進めたい場合には、民事再生が利用され、同手続きに従って、債務の整理と事業の再建が図られることになります。

株券は「紙切れ」になってしまうの?

‐ 民事再生法の手続きを通して、現在の会社株式というのは無価値、つまり紙切れになってしまうのでしょうか?

八木弁護士:民事再生手続では、再生債務者(本件の場合、タカタ)が、再生計画案を立案し、債権者による決議を経て、裁判所に認可を得た後、その再生計画に従って、事業の再建を図っていくことになります。
その再生計画の中では、いわゆる「100%減資」という手法が用いられることが多い傾向にあります。この手法では、会社が発行済み株式を対価なしで強制的に取得し、資本金を欠損の填補に充て、取得した株式を償却し、新たなスポンサーに出資してもらうという方法です。
この手法によると、株式の価値は事実上ゼロ、つまり紙切れになり、株主は出資額に応じた責任を負うことになります。

株主は損害を請求できるのか?

‐ 無価値になってしまう、またはそこまでいかなくとも暴落してしまったことによって損害を被った株主は、経営陣等に対して何か責任を追及することはできないのでしょうか?泣き寝入りになってしまうのでしょうか?

八木弁護士:株式の価値が無価値になってしまったことのみをもって、取締役等の経営陣に責任を追求することは難しいと思われます。株式の価値が無価値になる可能性があるというのは、投資をした株主自身が当初から負っているリスクであるからです。
もっとも、取締役の経営判断に誤りがあり、その誤りが取締役の善管注意義務に違反するものといえれば、取締役に対して責任を追及することができます。また、民事再生の手続の中では、取締役に対する責任の有無を判断するために、損害賠償請求の査定の申立てをすることもできます(民事再生法143条)。

‐ ありがとうございます。概要をつかむことが出来ました。

<弁護士トーク編集部より>
民事再生法とは、破産手続きの一つであり会社の抱える負債を減額することで会社の運営を立て直す方法だということがわかりました。
他にも企業の倒産にあたっては「破産」「会社更生」などといった手続きがあり、よく理解した上で、手続きの選択を行う必要があるようです。
いずれの方法をとる場合も法律問題を多く含むものなので、早い段階で専門家である弁護士に相談することが必要不可欠だと思います。

弁護士トークには「企業法務」の経験が豊富な弁護士が多数掲載されています。
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八木 優大 (やぎ ゆうた)弁護士
事務所名:大本総合法律事務所
事務所URL:http://www.ohmoto.biz/

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