離婚時の親権者の決め方

離婚時の親権者の決め方について、丸の内ソレイユ法律事務所の中山弁護士に詳しく解説していただきました。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

◆親権とは


「親権」という言葉、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。芸能人の離婚ニュース等でも、親権はどっちが持つことになったという報道もあるかと思います。親権とは一体どんな権利なのでしょうか。

父母は、未成年の子に対して養育者として様々な権利義務を有しており、それらを全てまとめて親権と言います。
親権は、子の身上に関する権利義務(「身上監護権」と言います。)と子の財産についての権利義務(「財産管理権」と言います。)の大きく二つに分類されます。
簡単にいうと、身上監護権とは、子と一緒に住んで面倒をみることができたり必要な範囲で子どもを懲戒したりすることをいい、財産管理権とは、子のすべての財産を代理人として保存・利用・改良・処分することをいいます。

なお、現在は成年年齢が20歳ですが、2022年4月1日から18歳に引き下げとなるのでご注意ください。

◆親権は誰が行使する?


日本においては、父母が婚姻中は父母が共同して親権を行使しますが、父母が離婚する際には、父母の一方を親権者と定めなくてはなりません。双方離婚自体には同意していたとしても、親権者をどちらにするか決めることができず、離婚自体できないことがあります。

その場合には、家庭裁判所の協議に代わる審判や離婚訴訟の中で親権者を定めることになります。
なお、基本的には、親権者が子を監護してその財産管理を行うことになりますが、親権のうち身上監護権だけを離婚後に親権者でない親に分属させることは可能です。

◆親権者はどのようにして決められるか


「子の福祉」の観点から、父母のどちらを親権者とするのかを決めることになります。
具体的には、父母の事情として、監護に関する意欲と能力、健康状態、経済的・精神的家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、実家の資産、親族・友人等の援助の可能性といったものを、子の事情として、年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発達状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への対応性、子自身の意欲といったものを考慮し、総合的に判断いたします。
もっとも、このような事情をただやみくもに検討するわけではなく、裁判所は次のような観点から親権者の指定について判断いたします。

(1)子の環境の維持
急激な環境変化に伴い子が心理的に不安定にならないように、今現在子を監護している者が、引き続き監護すべきという考え方です。
もっとも、この考え方を突き進めると、子を相手方の下から連れ去ってでも監護実績を積まないと親権を確保できないと考える方が増えてしまい、子の奪い合いを助長する結果になりかねません。そのため、子を監護するきっかけや手段に違法性がないかといった点にも着目する必要があります。実力行使により相手方から子を奪取した者には、例え現在子を監護していたとしても、親権を取得できなくなる可能性があるので注意しましょう。

(2)子の意思の尊重
子が15歳以上の場合、親権者指定の審判をするには家庭裁判所は、子の意見を聴取しなくてはならないことになっております。また、子が15歳未満でも、自分の意見を伝えられる年齢(概ね満10歳以上)であれば、子の意見を尊重することが多いです。
もっとも、これを突き詰めると一方の親が子の意思を支配しようとしたり、親にそのつもりがなくても子の方が一方の親の肩を持つようになったりしてしまうことにもなりかねません。そのため、子の発言が真意に基づくものなのかについては、発言内容だけでなく、その行動もみながら慎重に判断していくことになります。

(3)兄弟姉妹の不分離
兄弟姉妹は可能な限り同一人によって監護すべきという考え方です。
みなさんもなんとなく感じるところかと思いますが、一人っ子とそうでない子で、その後の人生観には違いがみられます。それは、兄弟姉妹との共同生活自体が一つの経験になっており、これが良くも悪くも子の成長に影響するからです。兄弟姉妹がいるのであれば、離婚により子らを引き離し、その経験を得る機会を失ってしまうのは望ましくないですし、仲の良い兄弟姉妹であれば、引き離されることで子の精神が不安定になることも容易に想像できます。
もちろんこれもケースバイケースです。例えば、兄弟姉妹が元々別々に育てられてきたのであれば、既に述べた現状維持の観点からも、それを維持することが子のためかもしれませんし、子の年齢が上がり、ある程度独立した年齢であれば、子へ与える影響も大きくありません。

(4)母親優先
子が乳幼児の場合、特別の事情がない限り、母親の監護養育が優先されるという考え方です。もっとも、共働き世帯が増え、「イクメン」という言葉もできてきている現代社会において、一般論としてこの考え方が適用されるかには、疑問があります。結局は、父母のどちらが子の面倒をよく見ているのかという視点に尽きるかと思われます。

(5)不貞行為や経済状況は?
男性側から、妻の不貞行為が離婚の原因なのに、親権をとられてしまうのはおかしいのではないかとのご相談を受けます。これについては、不貞行為に倫理上の問題はあるものの、あくまで親権者は、「子の利益」の観点から指定されます。そのため、不貞行為を行っていたという事実だけで、親権者たる資格がないとまではいえず、例えば、不貞をしている方が、子がいる前で不貞相手との関係性が露見するような言動をとることで、子の精神に悪影響を及ぼすといった事実までないと、親権者たる資格に影響しません。
また、妻は働いていないため、子を育てられるはずがないとお考えのご相談者様もいらっしゃいます。しかし、経済的事情は、養育費の問題で解消されることになりますので、相手方の未就労をもって、親権者たる資格がないということもできません。

◆まとめ


離婚時の親権は、時に相互に衝突することも少なくなく、その場合には、ケースバイケースでの判断となりかねません。
ご自身のケースではどうなるのか気になるのであれば、ぜひ一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。


--執筆協力--


丸の内ソレイユ法律事務所
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